「多量」の基準は、法律ではなく市町村が決めている
法第6条の2第5項はこう書いています。「市町村長は、その区域内において事業活動に伴い多量の一般廃棄物を生ずる土地又は建物の占有者に対し、当該一般廃棄物の減量に関する計画の作成、当該一般廃棄物を運搬すべき場所及びその運搬の方法その他必要な事項を指示することができる」。「多量」が何トンなのかは、この条文に書かれていません。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。どの業者に頼めるか・料金・分別区分・搬出のルールは、市町村ごとに異なります。とくに事業系一般廃棄物は、具体的な運用の大半が市町村の一般廃棄物処理計画と条例で決まります。実際の手続きは、事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。
そのため、対象になる規模も、提出する書類の様式も、提出の時期も、市町村ごとに違います。事業所のある市町村の条例と要綱を見るのが唯一の答えです。
条文が与えているもの
第5項が与えているのは、市町村長の「指示することができる」という権限です。事業者に対して直接「計画を出せ」と義務づける書き方ではありません。
市町村長が指示をして、はじめて具体的な義務が生じる構造です。多くの市町村は、この条文を受けて条例で対象規模と手続を定めています。
誰が何を決めているか
| 何 | どこで決まるか |
|---|---|
| 市町村長が指示できるという権限 | 法第6条の2第5項 |
| 何トン以上が「多量」か | 市町村の条例・要綱 |
| 計画書の様式 | 市町村の条例・要綱 |
| 提出の時期・頻度 | 市町村の条例・要綱 |
| 廃棄物管理責任者の選任 | 市町村の条例で定めている例があります |
2026年9月13日に e-Gov法令検索で法第6条の2第5項を確認しました。市町村ごとの基準は本サイトでは扱いません。事業所のある市町村にご確認ください。
指示できる内容は3つ
条文が列挙している指示の内容は、次の3つです。
市町村長が指示できること(法第6条の2第5項)
- 当該一般廃棄物の減量に関する計画の作成
- 当該一般廃棄物を運搬すべき場所
- その運搬の方法
- その他必要な事項
2つ目と3つ目に注目してください。「どこに運ぶか」「どう運ぶか」まで市町村長が指示できます。いつもの業者に頼んでいても、指示があればそれに従うことになります。
市町村が決めること
「多量」の基準は、市町村によって年間排出量で決めている例、日量で決めている例、延べ面積で決めている例などがあります。本サイトでは具体的な数値を挙げません。確認していない数値を書くと誤りのもとになるためです。
次のように調べてください。
自分の事業所が対象かを調べる
- 市町村名と「事業系一般廃棄物 減量計画」で検索する多くの市町村が対象規模と様式を公開しています。
- 市町村の廃棄物条例を見る「廃棄物の処理及び再生利用の促進に関する条例」といった名前で置かれていることが多いです。
- 見つからなければ廃棄物担当課に電話する対象かどうかは、建物の延べ面積と排出量を伝えれば教えてもらえます。
建物の規模で対象が決まる市町村では、建築物衛生法の特定建築物とおおむね重なることがあります。建物側の義務はこちらで整理しています。→ 事務所が3,000㎡を超えたら保健所に届出
準備しておくこと
指示を受けてから慌てないために、次のものがあると早いです。
減量計画を書くときに必要になりやすいもの
- 事業所の延べ面積と、廃棄物を出している区画の面積
- 月ごとの排出量(委託業者の請求書や伝票から拾えることがあります)
- 分別している区分と、その量の内訳
- 委託している業者の名称と許可の内容
- 前年度からの増減と、その理由
- 翌年度の減量目標と、そのための具体策
排出量の記録は、指示を受ける前から取っておくと計画が書きやすくなります。委託業者に、月ごとの数量を出してもらえるか聞いてみてください。
状況別の考え方
指示を受けたことがないが、対象かどうか知りたい
テナントビルで、自社だけでは基準に届かない
複数の市町村に事業所がある
減量計画を出したあと、何か続くのか
計画どおりに減らせなかったらどうなるか
よくある取りこぼし
「多量」の基準が全国共通だと思っていた
法第6条の2第5項に数値は書かれていません。市町村の条例・要綱が定めています。
産業廃棄物の多量排出事業者と同じ制度だと思っていた
産業廃棄物の多量排出事業者は法第12条第9項の別の制度です。根拠も対象も違います。
指示は文書で来るものだと思っていた
条文は形式を定めていません。運用は市町村によります。
減量計画は環境部門だけの仕事だと思っていた
運搬すべき場所と運搬の方法まで指示の対象です(第5項)。総務・施設管理とも関係します。
排出量の記録を取っていなかった
計画を書くときに必要になります。委託業者の伝票から拾えることがあります。
廃棄物管理責任者の選任が法律の義務だと思っていた
法第6条の2第5項に選任の規定はありません。市町村の条例で定めている例があります。ご確認ください。
よくある疑問
何トンから多量排出事業者になりますか
指示を受けなければ計画は不要ですか
産業廃棄物の多量排出事業者とは違うのですか
減量の目標はどう立てればいいですか
廃棄物管理責任者を選任する必要はありますか
確認に使った一次情報
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条(定義)/第3条第1項(事業者の責務)/第6条の2第4項〜第7項(市町村の処理等)/第7条(一般廃棄物処理業)/第11条(事業者及び地方公共団体の処理)/第12条(事業者の処理)/第12条の3(産業廃棄物管理票)e-Gov法令検索
- 同法施行令 第2条(産業廃棄物)/第3条(一般廃棄物の収集、運搬、処分等の基準)/第4条の4(事業者の一般廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)/第6条(産業廃棄物の基準)e-Gov法令検索
- 同法施行規則 第8条(産業廃棄物保管基準)e-Gov法令検索
2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。市町村が条例・一般廃棄物処理計画で独自の区分や手続を定めています。事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。
減量に取り組むなら、分別の置き場所から
分別の区分を増やすと置き場所が要ります。什器の配置は管理会社にご確認ください。
- 価格・在庫・納期は各社公式サイトでご確認ください
- 設置できる什器は建物の条件により異なります
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