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2026年9月 一次情報は東京都帰宅困難者対策条例・同ハンドブック

「義務ですか」の答えは
努力義務です

ただし努力義務だから何もしなくてよい、という話ではありません。条例には「三日分」という具体的な数字が書かれています。

3日分条例が求める備蓄
9L1人あたりの水
9食1人あたりの主食
+10%外部の人の分

「うちも備蓄したほうがいいのか」と調べ始めると、義務なのかどうかが最初に分からなくて止まります。先にそこをはっきりさせます。

このページの内容
  1. 義務なのか
  2. なぜ一斉に帰らせないのか
  3. 「三日分」とは何か
  4. 何人分そろえるか
  5. どこに置くか
  6. 自助・共助・公助という枠組み
  7. 進める順番
  8. よくある疑問

義務なのか

東京都帰宅困難者対策条例(平成25年4月1日施行)は、事業者について次のように定めています。

事業者は、大規模災害の発生時において、管理する事業所その他の施設及び設備の安全性並びに周辺の状況を確認の上、従業者に対する当該施設内での待機の指示その他の必要な措置を講じることにより、従業者が一斉に帰宅することの抑制に努める

東京都帰宅困難者対策条例 第7条

そして同条第2項に、備蓄の定めがあります。

従業者の三日分の飲料水、食糧その他災害時における必要な物資を備蓄するよう努める

東京都帰宅困難者対策条例 第7条第2項

いずれも「努めるものとする」=努力義務です。罰則はありません。ただし条例に「三日分」と書かれている以上、何もしていない状態は説明が難しくなります。

本サイトは東京都および内閣府の公表内容を整理したものです。備蓄の要否・数量の考え方は自治体の条例やガイドラインによって異なります。事業所の所在地の自治体(防災担当課)でご確認ください。

なぜ一斉に帰らせないのか

備蓄は目的ではなく手段です。目的は「その日、従業員を帰らせないこと」にあります。

大規模災害の直後に大勢が一斉に徒歩帰宅すると、道路が混雑して救助・消火活動の妨げになります。また、余震や建物からの落下物で二次被害に遭う危険もあります。だから「安全が確認できるまで施設内にとどまってもらう」という考え方が先にあり、そのために3日分の備蓄が要る、という順番です。

この順番を理解しておくと、何を備蓄すべきかの判断がぶれません。「3日間、社内で過ごしてもらう」ために要るものを揃える、ということです。

「三日分」とは何か

東京都の帰宅困難者対策ハンドブックは、1人あたりの目安を次のように示しています。

1人あたりの備蓄の目安(東京都帰宅困難者対策ハンドブック)

品目目安
1人当たり1日3リットル、計9リットル
主食1人当たり1日3食、計9食
毛布1人当たり1枚
簡易トイレ・衛生用品・ビニール袋等従業員数に応じて準備

出典:東京都帰宅困難者対策ハンドブック。簡易トイレの回数の目安は本サイトでは示しません(ハンドブックに数量の記載がないため)。

詳しい決め方は数量のページで扱います。

何人分そろえるか

「従業員数ぶん」で考えがちですが、ハンドブックは次のようにも述べています。

外部の帰宅困難者のために、10%程度の量を余分に備蓄することも検討

東京都帰宅困難者対策ハンドブック

つまり従業員だけでなく、そのとき社内にいる人を考える必要があります。来客、取引先、派遣・委託の方、たまたま来ていた家族。

誰の分まで数えるか
誰の分まで数えるか右へ行くほど、人数の見積もりが難しくなります正社員必ず数える非正規・派遣・委託数えるその日の来客・取引先10%上乗せの対象近隣の帰宅困難者別の話になる

→ 図は横にスクロールできます

  1. 正社員常時いる人。ここが基準
  2. 非正規・派遣・委託常時いるなら同じ扱い
  3. その日の来客・取引先人数は日によって変わる
  4. 近隣の帰宅困難者一時滞在施設として受け入れる場合

出典:東京都帰宅困難者対策ハンドブック(10%程度の余分な備蓄の検討)。受け入れの範囲は各社の方針で決めます。

どこに置くか

ここが実務でいちばん詰まります。3日分×人数は、思ったより場所を取ります。

ハンドブックは、高層ビルについてエレベーターが停止した場合に備え、備蓄品の保管場所を分散させておくことを考慮するとしています。そしてもう1つ、重要な注意があります。

保管されている備蓄品が避難通路を塞ぐ障害物となる等、消防法令等の違反状態とならない

東京都帰宅困難者対策ハンドブック

備蓄したことで消防法令の違反になるという、本末転倒が実際に起きます。詳しくは保管場所のページで扱います。

備蓄品をまとめて置ける棚・収納を見る

保管場所が避難通路を塞がないよう、配置は所轄消防署と施工者にご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

条例の考え方は「自助・共助・公助」

東京都はこの条例の目的について、「自助」「共助」「公助」の考え方に基づき、帰宅困難者対策を総合的に推進するとしています。

事業者に求められているのは、このうち「自助」と「共助」の部分です。自社の従業員は自社で守る(自助)。余力があれば周辺の人も受け入れる(共助)。行政が全員分を用意することはできない、という前提に立った枠組みです。

この整理を知っておくと、「なぜ会社が備蓄するのか」を社内で説明できます。「条例にあるから」より通ります。

進める順番

備蓄をゼロから始めるとき

  1. ① 人数を確定する従業員数+そのとき社内にいる人。ハンドブックは10%程度の上乗せの検討を挙げています。
  2. ② 数量を出す水は1人9リットル、主食は9食、毛布は1人1枚。人数を掛けます。
  3. ③ 置く場所を決める分散するか1か所か。避難通路を塞がないことが前提です。
  4. ④ 買う賞味期限の長さと、入れ替えの手間から選びます。
  5. ⑤ 入れ替えの仕組みを決める買って終わりにすると、期限切れが山になります。
  6. ⑥ 従業員に周知するどこに何があるか、誰が管理するかを共有します。

⑤を先に決めておかないと、3年後に同じ苦労をします。賞味期限のページで扱います。

よくある疑問

備蓄しないと罰則がありますか。

東京都帰宅困難者対策条例の定めは「努めるものとする」=努力義務であり、罰則の定めはありません。ただし条例に「三日分」と明記されている以上、何もしていない状態の説明は難しくなります。

東京都以外でも同じですか。

自治体によって条例やガイドラインの有無・内容が異なります。事業所の所在地の自治体(防災担当課)でご確認ください。調べ方は自治体の調べ方のページにまとめました。

従業員が10人でも必要ですか。

条例は人数で線を引いていません。規模にかかわらず「努める」対象です。ただし10人なら水90リットル・主食90食と、量は現実的な範囲に収まります。

在宅勤務が多く、出社人数が少ない日があります。

備蓄はいちばん多い日を想定するのが安全です。ただし置き場所と費用の制約があるため、実態に合わせて決めてください。判断の根拠を記録に残しておくと、後で説明できます。

水と食料以外に何が要りますか。

ハンドブックは毛布(1人1枚)と、簡易トイレ・衛生用品・ビニール袋等を従業員数に応じて準備することを挙げています。本サイトでは、数量の記載がないものについて目安を示しません。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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