検査は「受ける」義務。自分でやるものではない
水道法第34条の2第2項は「……定期に、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。」としています。自主点検では代えられません。誰に頼めるかまで条文が決めています。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。届出の要否・様式・検査機関の選び方・自治体の上乗せ基準は、水道事業者(水道局)と保健所によって運用が異なります。実際の手続きは、お住まいの地域の水道局または保健所にご確認ください。
「検査を受ける」義務
水道法第34条の2第2項です。
「簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、国土交通省令(簡易専用水道により供給される水の水質の検査に関する事項については、環境省令)の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。」
この一文が定めている4つのこと
| 区分 | 条文 |
|---|---|
| 誰が | 簡易専用水道の設置者 |
| 何について | 当該簡易専用水道の【管理について】 |
| いつ | 定期に(施行規則第56条で毎年1回以上) |
| 誰の検査を | 地方公共団体の機関 又は 国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者 |
出典:水道法第34条の2第2項。「検査を受けなければならない」=受け身の義務です。
検査の対象は水質だけではありません。条文は「管理について」の検査だとしています。掃除をしているか、汚染防止の措置をとっているかも含みます。→ 簡易専用水道の管理基準は4つ
検査できるのは誰か
条文が挙げているのは2者だけです。
検査を行える者(水道法第34条の2第2項)
| 区分 | 条文の文言 |
|---|---|
| ① 地方公共団体の機関 | 地方公共団体の機関 |
| ② 登録を受けた者 | 国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者 |
出典:水道法第34条の2第2項。「及び」なので、2つの大臣の登録が必要です。
清掃業者と検査機関は別です。掃除をしてくれた業者が、そのまま法定検査もできるとはかぎりません。
登録の手続は施行規則第56条の2以下に定められています。申請には検査設備を有していることを示す書類や簡易専用水道検査員の氏名及び略歴などが要ります。誰でもなれるものではありません。
依頼する前に「国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けているか」を確認してください。
毎年1回以上
水道法施行規則第56条第1項は1文です。
「法第三十四条の二第二項の規定による検査は、毎年一回以上定期に行うものとする。」
第2項は方法を委任しています。「検査の方法その他必要な事項については、国土交通大臣(簡易専用水道により供給される水の水質の検査に関する事項については、環境大臣)が定めるところによるものとする。」
水回りの頻度を並べる(2026年9月13日確認)
| やること | 頻度 | 根拠 |
|---|---|---|
| 簡易専用水道の検査 | 毎年1回以上 | 水道法施行規則第56条 |
| 水槽の掃除(水道法) | 毎年1回以上 | 水道法施行規則第55条第1号 |
| 貯水槽の清掃(建築物衛生法) | 1年以内ごとに1回 | 建築物衛生法施行規則第4条第1項第7号 |
| 飲料水の水質検査(建築物衛生法) | 6月以内ごとに1回 | 同 第4条第1項第3号 |
| 遊離残留塩素の検査(建築物衛生法) | 7日以内ごとに1回 | 同 第4条第1項第7号 |
出典:水道法施行規則、建築物衛生法施行規則。両方かかる建物では、それぞれ別の義務として残ります。
どちらもかかる建物での考え方は別にまとめました。→ 貯水槽の清掃は年1回か6か月か
検査機関は断れない
水道法第34条の3は、検査機関の側の義務です。
「前条第二項の登録を受けた者は、簡易専用水道の管理の検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、簡易専用水道の管理の検査を行わなければならない。」
登録を受けた検査機関は、求められたら原則として断れません。「正当な理由がある場合を除き」という例外はありますが、忙しいから後回し、は条文の想定ではありません。
「遅滞なく」という言葉も入っています。依頼して何か月も待たされる状態は、条文の予定するところではありません。
管理基準とセットで見る
法第34条の2は第1項が管理、第2項が検査です。検査は、第1項の管理ができているかを外から確かめる仕組みです。
1年の流れ
- ① 水槽の掃除を毎年1回以上行う施行規則第55条第1号。
- ② 汚染防止の措置を続ける同第2号。頻度の定めはありません。
- ③ 登録を受けた検査機関に依頼する法第34条の2第2項。地方公共団体の機関でも可。
- ④ 毎年1回以上、検査を受ける施行規則第56条第1項。
- ⑤ 異常があれば検査・給水停止施行規則第55条第3号・第4号。日付とは関係なく動きます。
そもそも自分の建物が簡易専用水道に当たるかは、水槽の有効容量で決まります。→ 貯水槽が10㎥を超えたら簡易専用水道
よくある取りこぼし
自主点検で済ませていた
条文は「検査を受けなければならない」。地方公共団体の機関か登録を受けた者の検査です。
清掃業者に法定検査も任せていた
清掃と検査は別です。国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けているか確認してください。
水質だけ調べてもらっていた
条文は「当該簡易専用水道の【管理について】」の検査だとしています。
掃除と検査を同じ1回だと思っていた
施行規則第55条第1号(掃除)と第56条(検査)は別の義務です。
検査を断られて放置した
法第34条の3は、登録を受けた者は正当な理由がある場合を除き遅滞なく行わなければならないとしています。
大臣の登録が1つだと思っていた
「国土交通大臣【及び】環境大臣の登録」です。
確認に使った一次情報
- 水道法 第3条第7項(簡易専用水道の定義)/第34条の2(管理と検査)/第34条の3(検査の義務)e-Gov法令検索
- 水道法施行令 第1条(専用水道の基準)/第2条(簡易専用水道の適用除外の基準)e-Gov法令検索
- 水道法施行規則 第55条(管理基準)/第56条(検査)e-Gov法令検索
2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。自治体が条例で上乗せの基準を定めていることがあります。お住まいの地域の水道局または保健所にご確認ください。
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