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買った側が自動的に立場を引き継ぐ。届出は事後

法第11条第1項は「特定施設のすべてを譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する」と定めています。「承継することができる」ではなく「承継する」です。手続をして初めて引き継ぐのではなく、譲受け・借受けの事実によって地位が移ります。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。指定地域の範囲・規制基準の数値・届出の様式・添付書類は、都道府県知事(市の区域内は市長)と市町村が定めます。実際の手続きは、工場・事業場のある市町村の公害担当課にご確認ください。

このページの内容
  1. 地位は自動的に移る
  2. 承継が起きる場面
  3. 届出は30日以内
  4. 「すべて」という限定
  5. 状況別の考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

地位は自動的に移る

法第11条は3つの項でできています。

法第11条の構造

  1. 第1項 譲受け・借受け特定施設のすべてを譲り受け、又は借り受けた者は、地位を承継する。
  2. 第2項 相続・合併・分割相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人、分割により承継した法人は、地位を承継する。(分割は特定施設のすべてを承継させるものに限る)
  3. 第3項 届出承継があつた日から三十日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。

第1項と第2項が「承継する」という効果を定め、第3項が届出を義務づけています。つまり届出は、すでに起きた承継を報告するものです。届出をしなければ承継が起きない、という構造ではありません。

だから、譲り受けた側は、届出の前から規制基準の遵守義務(法第5条)を負う立場になります。引き継いだ設備が基準に適合しているかは、取引の前に確認しておくのが確実です。

承継が起きる場面

第11条が挙げる場面

場面条文承継する者
特定施設のすべてを譲り受けた第1項譲受人
特定施設のすべてを借り受けた第1項借受人
相続があった第2項相続人
合併があった第2項存続法人/新設法人
分割があった(特定施設のすべてを承継させるもの)第2項承継した法人

2026年9月13日に e-Gov法令検索で法第11条を確認しました。具体的な取引がどれにあたるかは個別の事情によります。市町村にご確認ください。

「借り受けた」が入っている点に注意してください。所有権が移らないリースや賃貸でも、特定施設のすべてを借り受ければ第1項の承継が起きます。

届出は30日以内

法第11条第3項は「その承継があつた日から三十日以内に」と定めています。設置届(30日前まで)と違い、事後の届出です。

起算点は「承継があつた日」です。契約日なのか、引渡日なのか、登記の日なのかは条文に書かれていません。取引の形によって変わりうるので、市町村の公害担当課にご確認ください。

届出の向きの一覧はこちらにまとめています。→ 氏名が変わったとき・やめたときの届出

「すべて」という限定

第1項も第2項も「特定施設のすべて」と限定しています。一部だけを譲り受けた場合は、第11条の承継にあたりません。

一部か全部かで扱いが変わる

状況条文どうなるか
特定施設3台すべてを譲り受けた第11条第1項地位を承継。30日以内に届出
特定施設3台のうち1台だけを譲り受けた第11条の適用外譲渡側・譲受側それぞれの扱いを市町村に確認
工場ごと(特定施設を含めて)譲り受けた第11条第1項地位を承継。30日以内に届出
会社を合併した第11条第2項地位を承継。30日以内に届出

2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認しました。一部譲渡の場合の当てはめは条文が直接定めていません。市町村にご確認ください。

状況別の考え方

工場ごと事業を買収した

特定施設のすべてを譲り受けたなら第11条第1項の承継です。承継の日から30日以内に届出です。起算点を市町村にご確認ください。

親会社が子会社を吸収合併した

第11条第2項の合併にあたります。存続法人が地位を承継します。

機械をリースで借りることになった

「借り受けた者」も第1項の対象です。特定施設のすべてを借り受ける形かどうかで変わります。市町村にご確認ください。

個人事業主が亡くなり、家族が事業を継いだ

第11条第2項の相続にあたります。相続人が地位を承継し、30日以内の届出です。

法人成りして、個人事業から会社に変わった

個人から法人への譲渡として第1項にあたるか、別の扱いかは個別の判断です。市町村にご確認ください。

よくある取りこぼし

届出をして初めて承継が起きると思っていた

第1項・第2項が「承継する」と定め、第3項が届出を義務づける構造です。

買った側が新たに設置届を出そうとした

承継なら第11条第3項の届出です。新規の設置届ではありません。

リースなので承継にあたらないと思っていた

第1項は「借り受けた者」も対象にしています。

一部だけの譲渡でも承継だと思っていた

条文は「特定施設のすべて」と限定しています。

売った側が廃止届を出せば足りると思っていた

承継の場合は第11条第3項の届出です。どちらにあたるかを市町村にご確認ください。

引き継いだ設備が基準に適合しているか確認していなかった

承継した側が法第5条の規制基準の遵守義務を負います。

よくある疑問

「承継があつた日」はいつですか

条文は定義していません。取引の形によって変わりうるところです。市町村の公害担当課にご確認ください。

売る側は何か届け出る必要がありますか

条文は承継した者の届出義務を定めています。売る側の扱いは市町村にご確認ください。

一部の機械だけを譲り受けた場合は

第11条は「すべて」に限定しています。台数の変更(第8条)にあたるかどうかを含めて市町村にご確認ください。

承継届を出し忘れていました

本サイトでは結果について断定しません。速やかに市町村にご相談ください。

承継したあと、基準に適合していないことが分かりました

法第12条に改善勧告・改善命令の規定があります。市町村にご相談ください。

確認に使った一次情報

2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。指定地域・規制基準・様式は自治体が定めます。工場・事業場のある市町村の公害担当課にご確認ください。

事業を引き継ぐなら、什器と設備の棚卸しも同時に

引き継いだ設備の配置を見直す場面です。変更の可否は建物の管理者にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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