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探しても見つからないのは、そもそも条文にないから

「事業系一般廃棄物 保管基準」で調べても、はっきりした答えが出てきません。これは検索のしかたが悪いのではなく、排出事業者にかかる全国一律の保管基準が、廃棄物処理法に置かれていないからです。産業廃棄物のほうには、はっきりした条文があります。この非対称が混乱のもとです。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。どの業者に頼めるか・料金・分別区分・搬出のルールは、市町村ごとに異なります。とくに事業系一般廃棄物は、具体的な運用の大半が市町村の一般廃棄物処理計画と条例で決まります。実際の手続きは、事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

このページの内容
  1. 産業廃棄物の保管基準はある
  2. 一般廃棄物の側を条文で追う
  3. 施行令第3条は誰に向けた規定か
  4. では事業者は何に従うのか
  5. 状況別の考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

産業廃棄物の保管基準はある

法第12条第2項は、はっきりこう書いています。「事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(以下『産業廃棄物保管基準』という。)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない」

この「環境省令」が施行規則第8条です。中身は具体的です。

産業廃棄物保管基準の主なもの(規則第8条第1号)

「60センチメートル」という具体的な数字が条文に書かれています。産業廃棄物の保管場所で掲示板をよく見かけるのは、この規定があるからです。

一般廃棄物の側を条文で追う

では、一般廃棄物について同じ条文があるかを追います。結論から言うと、排出事業者にかかる保管基準の条文は見当たりません。

保管について、条文がどう置かれているか

誰に産業廃棄物一般廃棄物
排出事業者法第12条第2項+規則第8条(産業廃棄物保管基準)該当する条文なし
処理業者(積替保管)令第6条第1項第1号ハ等令第3条第1号リ
事業場外の保管の届出法第12条第3項(環境省令で定めるものに限る)該当する条文なし
占有者の協力義務法第6条の2第4項

2026年9月13日に e-Gov法令検索で条文を確認しました。「該当する条文なし」は、産業廃棄物と同じ形の規定が置かれていないという意味です。市町村の条例による規制を否定するものではありません。

法第11条第1項は「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」と定め、法第12条はその「事業者の処理」を受けて保管の義務を置いています。一般廃棄物については、この対になる条文の並びがありません。

施行令第3条は誰に向けた規定か

ここが取りこぼされやすいところです。施行令第3条には「一般廃棄物の保管」の規定があります。読むと、産業廃棄物保管基準とよく似た内容が書かれています。

しかし、その直前にこう書かれています。「一般廃棄物の保管は、一般廃棄物の積替え(環境省令で定める基準に適合するものに限る。)を行う場合を除き、行つてはならないこと」(令第3条第1号チ)。

つまり令第3条の保管の規定は、収集運搬の途中で積替えのために保管する場面を想定しています。令第3条は「一般廃棄物の収集、運搬、処分等の基準」という見出しで、法第6条の2第2項の委任を受けた規定です。これは市町村と、市町村から委託を受けた者、および許可業者が従う基準です。

だから、事務所の中に一時的にごみを置いておくことについて、令第3条が「囲いをつけろ」「60センチの掲示板を出せ」と命じているわけではありません。ここを取り違えると、必要のない設備を作ることになります。ただし市町村の条例が独自の定めを置いていることがあります。必ず市町村にご確認ください。

では事業者は何に従うのか

条文の並びをたどると、事業系一般廃棄物の保管について事業者がよるべきものは、次の三つに整理できます。

事業系一般廃棄物の保管で見るべきもの

  1. 法第3条第1項(事業者の責務)「自らの責任において適正に処理」。保管の方法を具体的に定めた条文ではありませんが、適正処理の一般的な義務です。
  2. 法第6条の2第4項(協力義務)「その一般廃棄物処理計画に従い当該一般廃棄物を適正に分別し、保管する等」。保管の内容は市町村の一般廃棄物処理計画が決めます。
  3. 市町村の条例・要綱ここが実質的な中身です。保管場所・容器・搬出時間・分別区分などを定めている市町村があります。市町村ごとに違います。

だから「全国共通の答え」は存在しません。事業所のある市町村の一般廃棄物処理計画と条例を見るのが正解です。多くの市町村が、計画と条例をウェブサイトで公開しています。

市町村長が個別に指示を出せる場面もあります。→ 多量排出事業者の減量計画

状況別の考え方

事務所の一角に、ごみ袋を数日置いておきたい

産業廃棄物保管基準は、事業系一般廃棄物には直接かかりません。ただし法第6条の2第4項の協力義務と市町村の一般廃棄物処理計画があります。市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

同じ場所に一般廃棄物と産業廃棄物を並べて置いている

産業廃棄物の部分には、法第12条第2項と規則第8条がかかります。囲いと60センチ以上の掲示板の規定は、その産業廃棄物の保管場所についてのものです。区分して保管できるようにすることが実務上求められます。都道府県・市町村にご確認ください。

ビルの共用ごみ置き場を使っている

誰が保管の管理者かは、ビルの管理規約と契約によります。管理会社にご確認ください。

事業場の外(別の倉庫)に保管したい

産業廃棄物については法第12条第3項に事業場外保管の届出の規定があります(環境省令で定めるものに限る)。一般廃棄物には対応する規定がありません。市町村の条例で定めがある場合があるので、ご確認ください。

保管の期間に上限はあるか

条文に一般廃棄物の保管期間の上限は見当たりません。ただし法第6条の2第4項の協力義務と、生活環境の保全という趣旨があります。長期に置く場合は市町村にご相談ください。

よくある取りこぼし

産業廃棄物の掲示板を、事業系一般廃棄物の置き場にも出していた

規則第8条は産業廃棄物の規定です。出すことが禁じられるものではありませんが、義務として必要な根拠条文とは異なります。

施行令第3条を排出事業者向けの基準だと思っていた

令第3条は法第6条の2第2項の委任を受けた、市町村と処理業者の基準です。保管は積替えの場合の規定です。

「基準がない=何をしてもよい」と読んでいた

法第3条第1項の適正処理義務と、法第6条の2第4項の協力義務があります。市町村の条例もあります。

市町村が違っても同じルールだと思っていた

一般廃棄物処理計画は市町村ごとに作られます(法第6条第1項)。複数拠点がある場合は拠点ごとに確認が必要です。

蚊やねずみの対策は産廃だけの話だと思っていた

建物の側では建築物衛生法に別の規定があります。ねずみ等の防除は6月以内ごとに1回

保管基準を調べるために産廃のページばかり見ていた

探しているものが一般廃棄物なら、見る先は市町村の一般廃棄物処理計画です。

よくある疑問

掲示板は出したほうがいいですか

事業系一般廃棄物について、掲示板を義務づける法令の規定は見当たりません。ただし市町村の条例や、ビルの管理規約で求められることがあります。市町村と管理会社にご確認ください。

囲いは必要ですか

規則第8条第1号イの囲いは産業廃棄物の規定です。事業系一般廃棄物について同じ規定は見当たりません。飛散・流出の防止は適正処理の観点から実務上求められます。市町村にご確認ください。

市町村の一般廃棄物処理計画はどこで見られますか

多くの市町村がウェブサイトで公開しています。「(市町村名)一般廃棄物処理計画」で探せます。見つからないときは廃棄物担当課にお問い合わせください。

産業廃棄物と一般廃棄物を同じ倉庫に置けますか

条文は同じ倉庫を禁じてはいませんが、産業廃棄物の部分には規則第8条がかかります。区分の方法は都道府県・市町村にご確認ください。

建築物衛生法の建物だと、何か追加でかかりますか

建築物環境衛生管理基準には、ねずみ等の防除や清掃の規定があります。廃棄物処理法とは別の法律です。→ 事務所が3,000㎡を超えたら保健所に届出

確認に使った一次情報

2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。市町村が条例・一般廃棄物処理計画で独自の区分や手続を定めています。事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

保管場所をつくるなら、動線と什器の配置から

保管場所の位置は什器の配置に影響します。設置の可否は管理会社にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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