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防火管理者を選任したら、次に出すのがこれ

消防計画は、防火管理者が作って、消防署に届け出る書類です。消防法施行令第3条の2は「防火管理者は、総務省令で定めるところにより、当該防火対象物についての防火管理に係る消防計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。」としています。選任の届出とは別に、もう1通あるということです。

本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。

このページの内容
  1. 作る人と、出す先
  2. 事務所に書く12項目
  3. 清掃や警備を外注しているとき
  4. 管理権原が分かれているとき
  5. 計画を出したあとにやること
  6. よくある取りこぼし
  7. 確認に使った一次情報

作る人と、出す先

消防法施行規則第3条は、この手順を1つの文で定めています。

「防火管理者は、令第三条の二第一項の規定により、防火対象物の位置、構造及び設備の状況並びにその使用状況に応じ、次の各号に掲げる区分に従い、おおむね次の各号に掲げる事項について、当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を受けて防火管理に係る消防計画を作成し、別記様式第一号の二の届出書によりその旨を所轄消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長に届け出なければならない。防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。」

この一文に入っている4つのこと(2026年9月12日確認)

区分条文が定めていること
作るのは誰か防火管理者
誰の指示を受けるか当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を受けて
何で出すか別記様式第一号の二の届出書
誰に出すか所轄消防長(消防本部を置かない市町村では市町村長)又は消防署長

出典:消防法施行規則第3条第1項。「変更するときも、同様とする」とあり、変更のたびに届出が要ります。

作るのは防火管理者ですが、中身を決めるのは防火管理者ひとりではありません。「管理について権原を有する者の指示を受けて」と書かれています。建物を借りている会社なら、指示を出すのはその会社の代表者です。

事務所で防火管理者が要るのは収容人員50人からです。消防法施行令第1条の2第3項第一号ハは、別表第一(十五)項(前各項に該当しない事業場)を含む区分について「収容人員が五十人以上のもの」としています。→ 事務所に防火管理者は必要か

事務所に書く12項目

規則第3条第1項第一号は、書く事項をイからヲまで並べています。収容人員50人以上の事務所はこちらの区分です。

消防計画に定める事項(消防法施行規則第3条第1項第一号)

事項
自衛消防の組織に関すること。
防火対象物についての火災予防上の自主検査に関すること。
消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び整備に関すること。
避難通路、避難口、安全区画、防煙区画その他の避難施設の維持管理及びその案内に関すること。
防火壁、内装その他の防火上の構造の維持管理に関すること。
定員の遵守その他収容人員の適正化に関すること。
防火管理上必要な教育に関すること。
消火、通報及び避難の訓練その他防火管理上必要な訓練の定期的な実施に関すること。
火災、地震その他の災害が発生した場合における消火活動、通報連絡及び避難誘導に関すること。
防火管理についての消防機関との連絡に関すること。
工事中の防火対象物における防火管理者又はその補助者の立会いその他火気の使用又は取扱いの監督に関すること。
イからルまでに掲げるもののほか、防火対象物における防火管理に関し必要な事項

出典:消防法施行規則第3条第1項第一号。条文は「おおむね次の各号に掲げる事項について」と書いており、この12項目が骨格です。

イの「自衛消防の組織」がいちばん上に来ています。消防計画は、火が出たときに誰が何をするかを決める書類だということです。大規模な建物では、これとは別に法律上の「自衛消防組織」を置く義務がかかります。→ 自衛消防組織が要るのは1万㎡から

ルの「工事中」は見落とされがちです。内装工事を入れるときに、防火管理者またはその補助者が立ち会うことを、あらかじめ計画に書いておく必要があります。工事のたびに考えるのではなく、先に書いておく項目です。

清掃や警備を外注しているとき

規則第3条第2項は、業務を外部に委託している場合の追加事項を定めています。

「防火管理上必要な業務の一部が当該防火対象物の関係者……以外の者に委託されている防火対象物にあつては、当該防火対象物の防火管理者は、前項の消防計画に、当該防火管理上必要な業務……の受託者の氏名及び住所(法人にあつては、名称及び主たる事務所の所在地)並びに当該受託者の行う防火管理上必要な業務の範囲及び方法を定めなければならない。」

委託しているときに消防計画へ書くこと

ここには例外があります。条文は「法第十七条の三の三の規定による消防用設備等又は特殊消防用設備等についての点検を除く」としています。消防用設備等の点検は、この項で書く「委託業務」からは外れます。

なお、この規定にいう「関係者」は「所有者、管理者又は占有者をいう」と条文に定義があります。自社の社員が行う業務は委託にあたりません。夜間の警備や日常の清掃を外部の会社に任せているときが対象です。

管理権原が分かれているとき

規則第3条第3項は1文です。「その管理について権原が分かれている防火対象物にあつては、当該防火対象物の防火管理者は、第一項の消防計画に、当該防火対象物の当該権原の範囲を定めなければならない。」

貸しビルに入っている場合が典型です。自社の消防計画に「どこまでが自分の管理か」を書きます。共用部はオーナーや管理会社、専有部は自社、という線を計画の中で明示することになります。

建物全体については、別に統括防火管理者の仕組みがあります。→ 統括防火管理者が要るのは高さ31m超から

計画を出したあとにやること

消防法施行令第3条の2第2項は、防火管理者の業務を並べています。

「防火管理者は、前項の消防計画に基づいて、当該防火対象物について消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わなければならない。」

順番

  1. ① 防火管理者を選任し、届け出る事務所は収容人員50人から。選任の届出が先です。
  2. ② 管理権原者の指示を受けて消防計画を作る規則第3条。12項目が骨格。外注があれば受託者の氏名・範囲・方法も。
  3. ③ 別記様式第1号の2で届け出る所轄消防長または消防署長へ。
  4. ④ 計画に基づいて訓練を実施する令第3条の2第2項。消火・通報・避難の訓練。
  5. ⑤ 点検・整備、火気の監督、収容人員の管理を続ける同項。計画を出して終わりではありません。
  6. ⑥ 変えたら、そのつど届け出る規則第3条第1項「防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。」

第4項は、点検・整備や火気の監督を行うときについて「火元責任者その他の防火管理の業務に従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない」としています。火元責任者は、消防計画の中で決めておく役割です。

よくある取りこぼし

防火管理者を選任したら終わりだと思った

選任の届出と消防計画の届出は別です。令第3条の2が消防計画の作成と届出を定めています。

計画を1回出せば、あとは更新不要だと思った

「変更するときも、同様とする」。人・体制・レイアウトが変われば届け直します。

管理権原者に確認せず、防火管理者だけで作った

条文は「管理について権原を有する者の指示を受けて」作成するとしています。

清掃や警備の委託先を書かなかった

規則第3条第2項。受託者の氏名・住所と、業務の範囲・方法を計画に定めます。

消防用設備等の点検も「委託業務」として書こうとした

法第17条の3の3による点検は、第2項の対象から除かれています。

貸しビルなのに権原の範囲を書かなかった

規則第3条第3項。権原が分かれている建物では、範囲を計画に定めます。

工事のときの立会いを計画に入れていなかった

第1項第一号ルに「工事中の……立会いその他火気の使用又は取扱いの監督に関すること」とあります。

訓練を「やったことにして」いた

令第3条の2第2項は、計画に基づく訓練の実施を防火管理者の業務としています。

確認に使った一次情報

2026年9月12日に e-Gov法令検索で確認した条文です。届出の様式・部数・提出先の運用は市町村の消防本部ごとに異なります。所轄の消防署にご確認ください。

体制を決めるタイミングで、避難経路と什器の配置も見直す

避難通路・避難口の維持管理は消防計画の項目です。配置は所轄消防署と管理会社にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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