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自社のフロアだけ見ていると気づかない制度

統括防火管理者は、1つの建物に管理権原者が複数いるときに置きます。テナントごとに防火管理者を選任していても、それだけでは足りません。東京消防庁は対象を「高層建築物(高さ31mを超える建築物)」ほか4つの型で示しています。雑居ビルなら3階建て・収容人員30人でも対象になります。

本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。

このページの内容
  1. 対象になる5つの型
  2. 「管理権原が分かれている」とは
  3. 統括防火管理者がやること
  4. 出す届出
  5. よくある取りこぼし
  6. 確認に使った一次情報
  7. よくある疑問

対象になる5つの型

統括防火管理者が必要な防火対象物(東京消防庁の公表内容・2026年9月12日確認)

要件
① 高層建築物高さ31mを超える建築物
② 避難困難施設が入っている地階を除く階数が3以上で、かつ収容人員が10人以上
③ 特定防火対象物地階を除く階数が3以上で、かつ収容人員が30人以上(避難困難施設を除く)
④ 非特定用途の複合地階を除く階数が5以上で、かつ収容人員が50人以上
⑤ 地下街・準地下街地下街のうち消防長または消防署長が指定するもの/準地下街

出典:東京消防庁の公表内容。いずれも「管理について権原が分かれているもの」が前提です。

事務所だけが入っているビルは非特定用途なので④にあたります。5階建て・収容人員50人からです。

ところが1階に飲食店や店舗が入ると、建物としては特定防火対象物になり③が適用されます。3階建て・30人から対象です。同じ規模でも、テナント構成で線が変わります。

自社フロアの防火管理者は別の基準(事務所なら収容人員50人)で決まります。→ 事務所に防火管理者は必要か

「管理権原が分かれている」とは

東京消防庁は「管理権原が分かれている防火対象物については、管理権原の及ぶ範囲を文章又は平面図等により図示し、明確にします。」としています。

ひとことで言えば、建物の中に「ここは自分が管理している」と言える主体が複数いる状態です。典型は貸しビルです。オーナーが共用部を、各テナントが自分の区画を管理しています。

窓口で確かめること

入居する側から見ると、「すでに誰かが統括防火管理者になっているか」を最初に確認するのが早いです。

統括防火管理者がやること

東京消防庁は義務として「全体についての消防計画の作成」および「当該計画に基づく建物全体の消火・通報・避難の訓練」を挙げています。

自社フロアの消防計画とは別に、建物全体の計画が要るということです。そして訓練も建物全体で行います。

防災管理のほうにも同じ仕組みがあります。東京消防庁は統括防災管理者の対象を「防災管理義務対象物で管理について権原が分かれているもの」としています。→ 防災管理者は防火管理者とどう違うか

出す届出

東京消防庁が挙げている届出

東京消防庁は「協議により選任した統括防火・防災管理者」について「その旨を消防機関に届け出ることが法律上規定」されているとしています。

「協議により」とある通り、管理権原者どうしで話し合って決めます。自分ひとりで決められません。

順番

  1. 建物の規模と用途を確かめる高さ31m超か、階数と収容人員が上の表に当たるか。
  2. 管理権原が分かれているか確かめる分かれていなければ統括は不要です。
  3. 管理権原の範囲を平面図で明確にする東京消防庁は「文章又は平面図等により図示し、明確にします」としています。
  4. 管理権原者どうしで協議して選任する「協議により選任」です。
  5. 届出を出す選任(解任)届出書と、全体についての消防計画作成(変更)届出書。
  6. 建物全体の訓練を行う全体についての消防計画に基づいて実施します。

入退去や増床のタイミングで、什器と配置をまとめて見直す

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よくある取りこぼし

自社フロアの防火管理者を選任したので済んだと思った

統括防火管理者は建物全体の制度です。基準(階数・収容人員)も別です。

事務所ビルなので5階50人からだと思っていた

1階に飲食店や店舗が入ると特定防火対象物になり、3階30人から対象です。

自分で統括防火管理者を決めようとした

「協議により選任」です。管理権原者どうしで決めます。

自社の消防計画だけ作った

「全体についての消防計画」が別に必要です。

訓練を自社フロアだけで行った

全体についての消防計画に基づく建物全体の消火・通報・避難の訓練が義務です。

管理権原の範囲を口頭で決めていた

「文章又は平面図等により図示し、明確にします」とされています。

確認に使った一次情報

2026年9月12日に確認した公表内容です。用途・規模・構造により扱いが変わります。所轄の消防署にご確認ください。

よくある疑問

うちは5階建ての事務所ビルで、収容人員40人です。対象ですか。

非特定用途の複合は「5階以上かつ収容人員50人以上」です。ただし用途構成で扱いが変わります。所轄の消防署にご確認ください。

誰が統括防火管理者になりますか。

管理権原者が協議により選任します。実務ではビルのオーナーや管理会社が担うことが多い形です。

テナント側が何かする必要はありますか。

管理権原の範囲を明確にし、全体についての消防計画と訓練に協力します。

防災管理のほうも同じですか。

統括防災管理者は「防災管理義務対象物で管理について権原が分かれているもの」が対象です。防災管理者は防火管理者とどう違うか

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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