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会社から出たごみは、量が少なくても家庭ごみではない

廃棄物処理法第3条第1項は、たった一文です。「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」従業員が2人でも、事務所が10平方メートルでも、この条文は同じようにかかります。面積や人数の要件はありません。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。どの業者に頼めるか・料金・分別区分・搬出のルールは、市町村ごとに異なります。とくに事業系一般廃棄物は、具体的な運用の大半が市町村の一般廃棄物処理計画と条例で決まります。実際の手続きは、事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

このページの内容
  1. 第3条第1項が言っていること
  2. 事業系一般廃棄物という呼び名
  3. では、どこに出すのか
  4. 分別と保管への協力義務
  5. 状況別の考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

第3条第1項が言っていること

この条文には、二つのことが書かれています。ひとつは「自らの責任において」。もうひとつは「適正に処理しなければならない」です。

「自らの責任において」は、市町村が代わりにやってくれるとは書いていない、という意味です。家庭から出るごみについては、法第6条の2第1項が市町村に収集・運搬・処分の義務を課しています。事業活動に伴って生じた廃棄物には、その規定が及びません。

「適正に処理しなければならない」のうち、自分で運んで自分で処分することを法は禁じていません。ただし現実には、焼却施設や埋立地を持っている事業者はほとんどいません。そこで、他人に委託する道が第6条の2第6項に用意されています。委託先は後述のとおり限られます。

「少量だから」「家庭ごみと中身が同じだから」という理由で、この条文が適用されなくなることはありません。条文に量の下限が書かれていないからです。

事業系一般廃棄物という呼び名

法第2条第2項は「この法律において『一般廃棄物』とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう」と定めています。引き算で決まる定義です。

つまり、まず産業廃棄物にあたるかどうかを見て、あたらなければ一般廃棄物になります。事業活動から出た廃棄物でこの引き算の結果が一般廃棄物になったものを、実務では「事業系一般廃棄物」と呼びます。法律の条文にこの言葉は出てきません。市町村の条例や要綱で使われている呼び名です。

注意:「事業系一般廃棄物=オフィスから出るごみ全部」ではありません。オフィスから出る廃プラスチック類は産業廃棄物です。法第2条第4項第1号が「廃プラスチック類」を業種の限定なしに挙げているためです。一方で紙くずは業種限定つきなので、一般的な事務所の紙くずは事業系一般廃棄物になります。この線引きは別ページで詳しく扱います。

どちらにあたるかで、委託先の許可の種類も、伝票の要否も変わります。事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違い

では、どこに出すのか

事業系一般廃棄物の出し方(条文に書かれている道筋)

  1. 自分で処理する法第3条第1項の原則。運搬も処分も自分で行う。ただし処分(焼却・埋立)の設備を持つ事業者はまれ。
  2. 市町村の処理施設に自分で持ち込む市町村が受け入れている場合に限る。受入品目・時間・手数料は市町村ごとに違う。
  3. 許可業者に委託する法第6条の2第6項。運搬は一般廃棄物収集運搬業者、処分は一般廃棄物処分業者に委託する。

三つ目がもっとも一般的です。ここで重要なのは、委託先が「一般廃棄物」の許可を持っているかどうかです。産業廃棄物収集運搬業の許可だけを持つ業者に事業系一般廃棄物を委託することは、第6条の2第6項が予定していません。

許可の確認のしかたは、こちらにまとめています。→ 事業系ごみの委託先は許可業者に限られる

分別と保管への協力義務

法第6条の2第4項は、土地または建物の占有者に対して、「その一般廃棄物処理計画に従い当該一般廃棄物を適正に分別し、保管する等市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に協力しなければならない」と定めています。

読みどころは「その一般廃棄物処理計画に従い」の部分です。分別のしかたも保管のしかたも、法律が全国一律に決めているのではなく、市町村が作る一般廃棄物処理計画が決めています。だから、隣の市とルールが違うことが普通にあります。

「事業系一般廃棄物の保管基準」を探しても見つからないのは、そのためです。→ 事業系一般廃棄物に全国一律の保管基準はない

状況別の考え方

事務所が1室だけ、ごみは週に1袋

量は要件ではありません。法第3条第1項に量の下限は書かれていません。市町村の家庭ごみ収集に出せるかどうかは、その市町村の一般廃棄物処理計画の定めによります。少量排出事業者向けの制度を設けている市町村もあれば、設けていない市町村もあります。事業所のある市町村にご確認ください。

テナントビルに入居していて、ビルが一括で処理している

ビルの管理会社が一括で委託しているケースです。この場合でも、廃棄物を生じさせた事業者が排出事業者です。誰が委託契約の当事者になるかは契約の内容によります。ビルの管理会社にご確認ください。

自宅兼事務所で、家庭のごみと混ざっている

事業活動に伴って生じた部分は事業系です。実務上の切り分け方は市町村によって扱いが違います。事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

引っ越しで机や椅子を大量に捨てる

金属くず・廃プラスチック類は産業廃棄物です。机や椅子は素材が混ざっていることが多く、部材ごとに区分が変わります。委託先の業者に素材を伝えて確認してください。

シュレッダーにかけた紙くずが大量に出る

一般的な事務所の紙くずは事業系一般廃棄物です(令第2条第1号の業種にあたらないため)。ただし溶解処理やリサイクルに回す場合、有価物として扱われることがあります。扱いは取引の内容によるので、業者にご確認ください。

よくある取りこぼし

従業員の弁当がらや飲み残しは家庭ごみだと思っていた

事業活動に伴って生じたものです。昼食は従業員の私的な行為に見えますが、事業所内で生じた廃棄物の扱いは市町村の定めによります。市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

量が少ないので家庭ごみ集積所に出していた

法第3条第1項に量の下限はありません。市町村の条例で罰則を定めている場合があります。

「産業廃棄物ではないので規制がない」と思っていた

一般廃棄物にも委託基準(令第4条の4)があります。事業の範囲に含まれる許可業者に委託する必要があります。

紙くずは全部産業廃棄物だと思っていた

紙くずは業種限定つきです(令第2条第1号)。建設業・製紙業・新聞業・出版業・製本業・印刷物加工業に係るものが産廃です。

ビルの共用のごみ置き場に出せば自社の責任は終わると思っていた

排出事業者としての責任がどこまで及ぶかは、委託の形と契約によります。管理会社にご確認ください。

一般廃棄物の許可業者はどこでも同じだと思っていた

一般廃棄物処理業の許可は市町村長が出します(法第7条)。市町村が変わると、許可を持つ業者も変わります。

よくある疑問

事業系一般廃棄物と事業系ごみは同じ意味ですか

市町村によって呼び方が違います。「事業系ごみ」は事業活動から出るごみ全体(産業廃棄物を含む)を指していることもあれば、事業系一般廃棄物だけを指していることもあります。自治体の資料を読むときは、どちらの意味で使われているか確認してください。

マニフェスト(管理票)は事業系一般廃棄物にも必要ですか

産業廃棄物管理票は法第12条の3の制度で、産業廃棄物が対象です。一般廃棄物について同じ制度を法は定めていません。ただし市町村が独自に伝票の運用を求めていることがあります。市町村にご確認ください。

委託契約書は書面でなければいけませんか

産業廃棄物については書面契約が法令で求められています。一般廃棄物の委託基準(令第4条の4)には、産業廃棄物と同じ書面契約の規定は置かれていません。ただし市町村が要綱で求めていることがあります。市町村と業者にご確認ください。

罰則はありますか

本サイトでは罰則の適用範囲について断定しません。条文の適用は個別の事情によります。市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

市町村をまたいで事業所がある場合は

一般廃棄物処理業の許可は市町村ごとです(法第7条)。事業所ごとに、その市町村で許可を持つ業者に委託することになります。

確認に使った一次情報

2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。市町村が条例・一般廃棄物処理計画で独自の区分や手続を定めています。事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。

ごみの動線を見直すなら、什器の配置から

ごみ置き場までの動線は、什器の配置で変わります。配置の可否は管理会社にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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