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「何センチ以上」を探しても、出てこない

オフィスの通路幅を調べると、80cm・120cm・1.6mといった数字が出てきます。これらは出どころの違う数字で、そのまま自分のオフィスに当てはめられるとは限りません。先に「何がどこで決まっているのか」を整理してください。

このページの内容
  1. なぜ一律の数字が出てこないのか
  2. どこで決まるのか
  3. 実務でどう決めるか
  4. 収容人員という別の数字
  5. 間仕切りを立てるとき
  6. よくある失敗
  7. よくある疑問

なぜ一律の数字が出てこないのか

通路幅に関係する規定は、目的の違う複数の法律に分散しています。そしてそれぞれ、対象とする建物や場面が違います。

通路に関係する主な法律と、その目的

法律何のための規定かオフィスへの当てはまり方
建築基準法避難のための廊下・階段・出口の確保建物の用途と規模で対象が変わる。建物の確認申請時に決まっている
消防法(+火災予防条例)避難上必要な施設を塞がないこと幅の数値というより「物を置かない」が中心
労働安全衛生法・同規則作業者の安全(転倒・挟まれの防止)作業の種類ごとの規定。事務作業向けの一律の寸法ではない
バリアフリー法・自治体の条例車いすでの通行対象となる建物の規模・用途が定められている

「オフィスの通路は何cm」という単一の答えが無いのは、そもそも同じことを決めている法律が無いためです。

本サイトでは、一般の事務室の通路について具体的な寸法を示しません。建物ごとに前提が違い、誤った数字を当てはめると避難の安全に関わるためです。

本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。

どこで決まるのか

実務上、いちばん確かな出発点は建物の図面です。

自分のオフィスの通路がどう決まっているかを知る手順

  1. ① 建物の平面図を手に入れる管理会社か、入居時の資料にあります。避難経路が図示されていることが多いです。
  2. ② 避難経路がどこかを確認する非常口までの経路が、確認申請の前提になっています。ここは塞げません。
  3. ③ 消防の避難経路図と照らす館内に掲示されていることがあります。
  4. ④ 所轄消防署に相談するレイアウト案を持って行けば、避難上の問題を指摘してもらえます。
  5. ⑤ 内装業者・建築士に図面で見てもらう建築基準法上の廊下の扱いは、図面がないと判断できません。

実務でどう決めるか

法令の数値を探すより、次の3つを満たすかどうかで考えるほうが実務に合います。

レイアウトを決めるときの3つ

とくに2つ目は、図面上では通れても実際には通れないことがよくあります。いすを引いた状態で測ってください。カタログ上の机の寸法だけで並べると、必ず狭くなります。

3つ目に該当する場合は、対象となる建物の規模・用途によって条例上の基準が定められていることがあります。自治体の担当課にご確認ください。

奥行きの浅い机や、通路を確保しやすい什器を見る

実際に必要な通路幅は、避難経路と利用者の状況によって変わります。図面と実測でご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

収容人員という別の数字

通路幅とは別に、収容人員という数字があります。これは消防法令で用途ごとの算定方法が定められているもので、実際の出社人数とは違います。

収容人員が一定以上になると、防火管理者の選任が必要になります。東京消防庁は、非特定用途(事務所を含む)は防火対象物全体の収容人員が50人以上としています。

算定方法は用途ごとに定められており、本サイトでは示しません。建物の管理会社が把握していることが多いので、まずそちらに確認してください。詳しくは防火管理者のページで扱います。

間仕切りを立てるとき

間仕切りは通路を狭めます。とくに天井まで立てると、避難経路そのものが変わります。

間仕切りと通路の関係

非常口までの経路上に立てようとしている

立てられません。別の配置を考えてください。図面で避難経路を確認するのが先です。

行き止まりの区画ができる

袋小路になる配置は避けてください。2方向に逃げられるかを見ます。

扉の開く向きが通路に出る

扉が開いたときに通路を塞ぐことがあります。引き戸にする、開き勝手を変えるなどで解消できます。

置き型のパーテーションで仕切る

動かせるので、あとから調整できます。ただし避難時に倒れない安定性は必要です。

よくある失敗

ネットで見た数字をそのまま使う

出どころの違う数字が混ざっています。対象となる建物・場面が違います。

図面を見ずにレイアウトを決める

避難経路は建物の確認申請の前提です。図面が出発点です。

机の寸法だけで並べる

いすを引いた状態で通れるかを実測してください。

非常口の前に物を置く

避難上必要な施設を塞ぐことになります。

扉の開く向きを考えない

開いた扉が通路を塞ぐ配置は珍しくありません。

よくある疑問

結局、通路は何センチ空ければよいのですか。

一般の事務室について、一律の数値を示すことはしません。建物ごとに避難経路の前提が違い、誤った数字を当てはめると危険だからです。レイアウト案を持って所轄消防署と施工者に相談してください。

車いすの利用者がいます。

対象となる建物の規模・用途によって、バリアフリー関係の基準が定められていることがあります。自治体の担当課にご確認ください。あわせて、実際に通れるかを本人と確認するのが確実です。

収容人員は出社人数のことですか。

違います。消防法令で用途ごとの算定方法が定められた数字です。実際の出社人数とは一致しません。

避難経路図はどこにありますか。

館内に掲示されているか、建物の管理会社が持っています。入居時の資料にも含まれていることがあります。

レイアウト案を消防署に見てもらえますか。

所轄の消防署(予防課)は事前相談を受け付けています。図面を持って行くと具体的に見てもらえます。着工前に行ってください。

事務所のレイアウトと法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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