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事務所は50人から。ただし数え方は建物が決める

「うちは小さい会社だから関係ない」で済ませているケースが多いのですが、基準は従業員数ではなく収容人員です。しかも収容人員の数え方は自分では決められません。

このページの内容
  1. 選任が必要になる基準
  2. 事務所は非特定用途
  3. 収容人員の数え方
  4. テナントで入っている場合
  5. 工事中の消防計画
  6. 選任したら何をするのか
  7. よくある失敗
  8. よくある疑問

選任が必要になる基準

東京消防庁は、防火管理者が必要な防火対象物について次のように案内しています。

防火管理者の選任が必要になる収容人員(東京消防庁)

用途収容人員
特定用途(飲食店・物販店・病院など不特定多数が出入りするもの)防火対象物全体の収容人員が30人以上
非特定用途(事務所・工場・倉庫など)防火対象物全体の収容人員が50人以上

出典:東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」。甲種・乙種の区分は用途と規模で決まります。

ここで重要なのは、「防火対象物全体の」収容人員という点です。自社のフロアだけで数えるわけではありません。

事務所は非特定用途

東京消防庁の区分では、事務所は非特定用途にあたります。したがって基準は50人以上です。

ただし、同じ建物に飲食店や物販店が入っていると、建物全体としては特定用途を含む扱いになることがあります。雑居ビルではよくある状況です。建物全体でどう扱われるかは、所轄消防署が判断します。

収容人員の数え方

収容人員は「そこにいる社員の人数」ではありません。消防法令で用途ごとの算定方法が定められており、床面積などから計算されます。

本サイトでは算定式を示しません。用途区分の当てはめと算定は、建物ごとに所轄消防署が判断するためです。次の手順で確認してください。

収容人員を確認する手順

  1. ① 建物の管理会社に聞く建物全体の収容人員は、すでに算定されていることがほとんどです。まずここです。
  2. ② 防火管理者がすでにいるか聞く建物全体で選任されている場合と、テナントごとに必要な場合があります。
  3. ③ 所轄消防署(予防課)に確認する自社の入居部分について、何が必要かを直接聞きます。
  4. ④ 入居時・増員時に見直すレイアウト変更や増員で、算定が変わることがあります。

本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。

テナントで入っている場合

ビルの一部を借りている場合、「建物全体」と「自社の入居部分」の2つの層があります。

テナントの立場での考え方

建物全体で防火管理者が選任されている

ビルのオーナー・管理会社が選任していることが多いです。それとは別に、テナント側にも義務が生じることがあります。管理会社に「うちは何をすればよいか」と聞いてください。

複数のテナントが入る建物

建物全体を統括する仕組み(統括防火管理者)が置かれることがあります。各テナントが個別に責任を負う部分と、建物全体で担う部分が分かれます。

入居時に何も言われなかった

言われないことと、義務がないことは別です。入居時に管理会社と所轄消防署の両方に確認してください。

増員してフロアを増やした

収容人員の算定が変わる可能性があります。フロアを増やしたときが確認のタイミングです。

工事のあいだにも計画が要ることがある

見落とされやすいのがここです。内装工事の期間そのものにも、消防上の管理が求められることがあります。

東京消防庁は「工事中の消防計画」という仕組みを案内しており、工事中の消防計画作成(変更)届出書という様式も公開しています。工事のあいだは避難経路が塞がれたり、火気を使う作業が入ったりするため、通常とは別の管理が必要になるという考え方です。

工事期間中に問題になりやすいこと

該当するかどうかは工事の規模と建物によります。着工前に所轄消防署に確認してください。施工業者が把握していることも多いので、見積もりの段階で聞いておくと確実です。

選任したら何をするのか

防火管理者は資格を取って終わりではありません。選任の届出と、消防計画の作成・届出が伴います。

選任にともなう主な手続き

いちばん多い抜けが最後の項目です。選任した人が退職したまま届出を出していない、という状態は珍しくありません。

レイアウト変更にあわせて什器を見直す

収容人員や避難経路に影響する配置は、所轄消防署と管理会社にご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

よくある失敗

従業員数で判断する

基準は収容人員です。算定方法が別に定められています。

自社フロアだけで数える

基準は「防火対象物全体の収容人員」です。

管理会社が選任しているから不要だと思う

建物全体とテナントで、責任の層が分かれることがあります。

選任者が退職しても届出を出さない

解任・選任の届出が必要です。

消防計画を作って終わりにする

訓練と点検の実施までが計画です。

よくある疑問

収容人員は自分で計算できますか。

消防法令に算定方法の定めがありますが、用途区分の当てはめが前提になります。建物の管理会社が把握していることが多いので、まずそちらに確認してください。最終的な判断は所轄消防署です。

甲種と乙種はどう違いますか。

東京消防庁は、甲種・乙種の区分が用途や規模によって決まると案内しています。どちらが必要かは所轄消防署にご確認ください。講習の日数と内容が異なります。

小さなオフィスでも講習を受けたほうがよいですか。

義務がなくても、避難経路の管理と初期消火の知識は実務上役に立ちます。ただし本サイトは受講を勧めるものではありません。必要性は所轄消防署にご相談ください。

在宅勤務が多く、出社人数が少ない場合はどうなりますか。

収容人員は実際の出社人数ではなく、法令の算定方法によります。「今日は少ないから」は基準になりません。

建物にすでに防火管理者がいます。うちは何もしなくてよいですか。

管理会社に確認してください。建物全体を統括する仕組みと、テナント個別の義務は別に整理されることがあります。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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