分別のルールが市町村で違うのは、条文がそう作られているから
「隣の市では燃やせるごみなのに、こちらでは別区分」。これは行政の気まぐれではなく、廃棄物処理法がそう組み立てられているからです。法第6条第1項が市町村に一般廃棄物処理計画を定めさせ、法第6条の2第4項が占有者に「その一般廃棄物処理計画に従い」分別することを求めています。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。どの業者に頼めるか・料金・分別区分・搬出のルールは、市町村ごとに異なります。とくに事業系一般廃棄物は、具体的な運用の大半が市町村の一般廃棄物処理計画と条例で決まります。実際の手続きは、事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。
一般廃棄物処理計画という仕組み
法第6条第1項は、市町村に「当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画」を定めることを求めています。これが一般廃棄物処理計画です。
この計画に何を書くかは、市町村が地域の事情に合わせて決めます。焼却施設の能力、埋立地の残余年数、リサイクルの受け皿、収集の体制——これらは市町村ごとに違うので、分別の区分も自然に違ってきます。
つまり「正しい分別」は全国共通では存在しません。事業所のある市町村の計画が、その事業所にとっての正解です。市町村をまたいで事業所がある会社は、拠点ごとに確認してください。
協力義務の条文
法第6条の2第4項の全文は、次のとおりです。
「土地又は建物の占有者は、その土地又は建物内の一般廃棄物のうち、生活環境の保全上支障のない方法で容易に処分することができる一般廃棄物については、なるべく自ら処分するように努めるとともに、自ら処分しない一般廃棄物については、その一般廃棄物処理計画に従い当該一般廃棄物を適正に分別し、保管する等市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に協力しなければならない」
読み分けると、二つのことが書かれています。
第4項が求めている二つのこと
| 何を | 書き方 | 強さ |
|---|---|---|
| 容易に処分できるものは自ら処分する | なるべく〜努める | 努力の求め |
| 自ら処分しないものは計画に従って分別・保管する | しなければならない | 義務の書き方 |
2026年9月13日に e-Gov法令検索で法第6条の2第4項を確認しました。条文の書き方を整理したもので、法的効果について断定するものではありません。
「占有者」であって「事業者」ではない点にも注意してください。この項は、家庭も事業所も含めた土地・建物の占有者全般に向けられています。
計画はどこで見られるか
一般廃棄物処理計画を探す
- 市町村名と「一般廃棄物処理計画」で検索する多くの市町村がPDFで公開しています。
- 事業系ごみの分別区分の頁を探す家庭ごみと事業系ごみで区分が違う市町村があります。
- 市町村が事業者向けの手引きを出していないか見る「事業系ごみの出し方」といった名前の資料があることが多いです。
- 分からなければ廃棄物担当課に聞く業種と出るものを伝えると、区分を教えてもらえます。
計画は数年ごとに見直されます。数年前にもらった手引きのまま運用していると、区分が変わっていることがあります。
ほかの制度とのつながり
分別を増やすと、置き場所と保管の問題が出てきます。事業系一般廃棄物の保管について、全国一律の法定基準がないことは別ページで扱いました。→ 事業系一般廃棄物に全国一律の保管基準はない
分別した先の委託も、区分によって許可の種類が変わります。→ 事業系ごみの委託先は許可業者に限られる
建物が大きい場合は、建築物衛生法の清掃の規定もかかります。→ 大掃除は6月以内ごとに1回
状況別の考え方
市町村の手引きに、自分の業種のごみが載っていない
委託業者から「この区分で」と言われた
分別を増やしたいが、置き場所がない
複数拠点で分別のルールをそろえたい
計画が改定されたと聞いた
よくある取りこぼし
分別区分は全国共通だと思っていた
市町村が一般廃棄物処理計画で定めます(法第6条第1項)。市町村ごとに違います。
家庭ごみの分別表を事業所でも使っていた
事業系ごみの区分を別に定めている市町村があります。市町村にご確認ください。
計画は一度見れば十分だと思っていた
数年ごとに見直されます。改定の有無を定期的に確認してください。
「協力しなければならない」を努力義務だと読んでいた
第4項は前半が「なるべく〜努める」、後半が「〜しなければならない」と書き分けられています。
業者の指示だけで分別していた
根拠は市町村の計画です。食い違うときは市町村に確認してください。
占有者と事業者を同じものだと思っていた
第4項は「土地又は建物の占有者」に向けられています。テナントとビル所有者の関係は契約によります。
よくある疑問
一般廃棄物処理計画はどこで見られますか
分別を間違えるとどうなりますか
事業系ごみ専用の袋はありますか
家庭ごみの集積所に出せる場合はありますか
計画に従わないと罰則がありますか
確認に使った一次情報
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条(定義)/第3条第1項(事業者の責務)/第6条の2第4項〜第7項(市町村の処理等)/第7条(一般廃棄物処理業)/第11条(事業者及び地方公共団体の処理)/第12条(事業者の処理)/第12条の3(産業廃棄物管理票)e-Gov法令検索
- 同法施行令 第2条(産業廃棄物)/第3条(一般廃棄物の収集、運搬、処分等の基準)/第4条の4(事業者の一般廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)/第6条(産業廃棄物の基準)e-Gov法令検索
- 同法施行規則 第8条(産業廃棄物保管基準)e-Gov法令検索
2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。市町村が条例・一般廃棄物処理計画で独自の区分や手続を定めています。事業所のある市町村の廃棄物担当課にご確認ください。
分別を増やすなら、置き場所と什器の配置から
分別区分を増やすと容器と場所が要ります。配置の可否は管理会社にご確認ください。
- 価格・在庫・納期は各社公式サイトでご確認ください
- 設置できる什器は建物の条件により異なります
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