「うるさい機械」ではなく、別表に載っているかどうか
騒音規制法第2条第1項は特定施設を「工場又は事業場に設置される施設のうち、著しい騒音を発生する施設であつて政令で定めるもの」と定義しています。実際にうるさいかどうかで決まるのではありません。施行令第1条が受けて、別表第一に列挙された施設だけが特定施設です。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。指定地域の範囲・規制基準の数値・届出の様式・添付書類は、都道府県知事(市の区域内は市長)と市町村が定めます。実際の手続きは、工場・事業場のある市町村の公害担当課にご確認ください。
別表第一の11区分
施行令別表第一は、次の11の区分を挙げています。
特定施設(施行令別表第一)
- 一 金属加工機械(圧延機械・製管機械・ベンディングマシン・液圧プレス・機械プレス・せん断機・鍛造機・ワイヤーフォーミングマシン・ブラスト・タンブラー・切断機)
- 二 空気圧縮機及び送風機
- 三 土石用又は鉱物用の破砕機、摩砕機、ふるい及び分級機
- 四 織機(原動機を用いるものに限る)
- 五 建設用資材製造機械(コンクリートプラント・アスファルトプラント)
- 六 穀物用製粉機(ロール式のもの)
- 七 木材加工機械(ドラムバーカー・チッパー・砕木機・帯のこ盤・丸のこ盤・かんな盤)
- 八 抄紙機
- 九 印刷機械(原動機を用いるものに限る)
- 一〇 合成樹脂用射出成形機
- 一一 鋳型造型機(ジョルト式のものに限る)
この11区分に入らない機械は、どれだけ大きな音が出ても特定施設ではありません。逆に、静かに感じる機械でも、区分に入って出力の要件を満たせば特定施設です。
出力の下限がある
別表の多くには原動機の定格出力の下限が括弧書きで付いています。ここを読み落とすと、届出の要否を誤ります。
出力などの下限がある主なもの(施行令別表第一)
| 施設 | 下限 |
|---|---|
| 圧延機械 | 原動機の定格出力の合計が22.5キロワット以上 |
| ベンディングマシン(ロール式) | 原動機の定格出力が3.75キロワット以上 |
| 機械プレス | 呼び加圧能力が294キロニュートン以上 |
| せん断機 | 原動機の定格出力が3.75キロワット以上 |
| 空気圧縮機・送風機 | 原動機の定格出力が7.5キロワット以上 |
| 破砕機・摩砕機・ふるい・分級機 | 原動機の定格出力が7.5キロワット以上 |
| コンクリートプラント | 混練機の混練容量が0.45立方メートル以上 |
| アスファルトプラント | 混練機の混練重量が200キログラム以上 |
| 穀物用製粉機(ロール式) | 原動機の定格出力が7.5キロワット以上 |
| チッパー・砕木機以外の木材加工機械 | 2.25キロワット以上(製材用の帯のこ盤・丸のこ盤は15キロワット以上) |
2026年9月13日に e-Gov法令検索で施行令別表第一を確認しました。液圧プレス(矯正プレスを除く)・製管機械・鍛造機・織機・抄紙機・印刷機械・合成樹脂用射出成形機・鋳型造型機(ジョルト式)には、出力の下限が書かれていません。
空気圧縮機には、もうひとつ除外があります。別表第一第2号は「一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き」としています。低騒音型として指定を受けた機種は対象外になります。機種が該当するかは、メーカーと市町村にご確認ください。
指定地域の中かどうか
特定施設にあたっても、指定地域の外なら届出は必要ありません。法第6条第1項は「指定地域内において」設置しようとする者を対象としています。
指定地域を定めるのは、法第3条第1項により都道府県知事(市の区域内の地域については市長)です。「住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域」を指定します。
指定地域の範囲は自治体ごとに違い、地図で公表されています。「(市町村名)騒音規制法 指定地域」で探せます。工業専用地域が外されている自治体もあれば、含まれている自治体もあります。必ず市町村にご確認ください。
なお、届出先は市町村長です(法第6条第1項)。指定地域を決めるのは都道府県知事・市長、届出を受けるのは市町村長という組み合わせになっています。
5種類の届出
騒音規制法の届出は、場面ごとに条文が分かれています。期限がそれぞれ違うので、条文ごとに押さえるのが早道です。
届出の一覧と期限
| 場面 | 根拠条文 | 期限 |
|---|---|---|
| 指定地域内に特定施設を設置する | 法第6条第1項 | 工事開始の日の30日前まで |
| 地域が指定地域になった/施設が特定施設になった | 法第7条第1項 | その日から30日以内 |
| 特定施設の数・騒音防止の方法を変更する | 法第8条第1項 | 変更工事開始の日の30日前まで |
| 氏名・名称・住所・事業場の名称や所在地が変わった | 法第10条 | その日から30日以内 |
| 特定施設のすべての使用を廃止した | 法第10条 | その日から30日以内 |
| 譲受け・借受け・相続・合併・分割で地位を承継した | 法第11条第3項 | 承継の日から30日以内 |
2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認しました。様式と添付書類は環境省令と自治体の規則が定めます。市町村にご確認ください。
「30日前まで」と「30日以内」が混在している点に注意してください。新しく始めるとき(設置・変更)は前、状況が動いたあと(指定・氏名変更・廃止・承継)は後です。
それぞれの詳細は次のページにまとめています。
状況別の考え方
7.5キロワットの空気圧縮機を1台入れる
印刷機を入れるが、静かな機種だと言われた
工場は指定地域の外にある
すでに設置してある機械が、あとから特定施設に追加された
個人事業で、機械は1台だけ
よくある取りこぼし
音の大きさで対象かどうかを判断していた
別表第一に載っているかどうかと、出力の下限で決まります。実測の騒音値は規制基準(法第5条)の話で、届出の要否とは別です。
出力の下限を読み落としていた
括弧書きに「原動機の定格出力が〇キロワット以上のものに限る」と書かれています。下限がない施設もあります。
指定地域を都道府県全域だと思っていた
法第3条第1項により、知事または市長が地域を指定します。範囲は自治体ごとに違います。
届出先を都道府県だと思っていた
届出先は市町村長です(法第6条第1項)。地域を指定するのは知事・市長で、届出を受けるのは市町村長です。
複数台あっても1台分だけ届け出ればよいと思っていた
法第6条第1項第3号は「特定施設の種類ごとの数」を届け出させます。台数も届出事項です。
振動規制法も同じ届出で済むと思っていた
別の法律です。振動規制法にも同型の届出がありますが、特定施設の一覧も届出も別に必要です。市町村にご確認ください。
よくある疑問
特定施設の一覧はどこで見られますか
指定地域かどうかはどう調べますか
届出をしないとどうなりますか
規制基準とは何ですか
届出をすれば音を出してよいことになりますか
確認に使った一次情報
- 騒音規制法 第2条第1項(特定施設の定義)/第3条(地域の指定)/第5条(規制基準の遵守義務)/第6条(特定施設の設置の届出)/第7条(経過措置)/第8条(特定施設の数等の変更の届出)/第9条(計画変更勧告)/第10条(氏名の変更等の届出)/第11条(承継)/第12条(改善勧告及び改善命令)/第13条(小規模の事業者に対する配慮)e-Gov法令検索
- 騒音規制法施行令 第1条(特定施設)/別表第一e-Gov法令検索
2026年9月13日に e-Gov法令検索で確認した条文です。指定地域・規制基準・様式は自治体が定めます。工場・事業場のある市町村の公害担当課にご確認ください。
機械を入れ替えるなら、レイアウトも同時に見直す
機械の配置は作業動線に影響します。設置の可否は建物の管理者にご確認ください。
- 価格・在庫・納期は各社公式サイトでご確認ください
- 設置できる什器は建物の条件により異なります
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