止まったときは、原因を特定する前に記録を残す
自動売買が止まったことに気づくと、まず再起動したくなります。しかし再起動すると、原因を示すログや画面の状態が消えることがあります。同じことを繰り返さないために、順序を決めておいてください。
止まったときの順序
再起動の前にやること
- ① 画面をそのまま記録するエラーの表示、取引ツールの状態、時刻を控える。画面の記録が最も情報量の多い証拠になる。
- ② ログを退避する取引ツールが出力するログと、基本ソフト側のイベントの記録を、別の場所へコピーする。
- ③ 建玉の状態を確認する建玉が残っているか、想定と違う数量になっていないかを、取引業者の管理画面側で確認する。
- ④ 回線と接続を分けて見るVPSそのものに接続できるか、取引ツールが業者のサーバーへつながっているかを、別々に確かめる。
- ⑤ ここまで済んでから復旧する再起動やツールの再接続はこの後。順序を逆にすると原因が消える。
どこで止まっているかの切り分け
「止まった」と一言で言っても、止まっている場所は少なくとも4つに分かれます。場所が違えば対処も違います。
止まっている場所の見分け方
| 場所 | 見え方 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| VPSそのもの | 遠隔接続ができない | 事業者の稼働情報・障害情報を確認する |
| 基本ソフト | 接続はできるが操作が返らない | 再起動の履歴、更新プログラムの適用履歴を見る |
| 取引ツール | 起動しているが処理が進まない | ツールのログに最後に記録された時刻を見る |
| 取引業者のサーバー | ツールは動くが接続が切れている | 業者の障害情報・メンテナンス予定を確認する |
| 自動売買プログラム | ツールは接続しているが発注がない | プログラム側のログと、稼働を示す表示を見る |
上から順に確認してください。下の層だけを見て、上の層の障害を見逃すことがよくあります。
とくに「ツールは起動しているのに発注がない」状態は、原因が広い範囲に散らばります。プログラムが停止しているのか、条件が成立していないだけなのかを、まずログで分けてください。
止まる原因の類型
止まり方の型
更新プログラムの適用で再起動された
メモリまたはディスクが尽きた
遠隔接続を切るときにツールごと終了させた
取引業者側のメンテナンス
プログラム側の停止条件が成立した
稼働環境の仕様と自動起動の扱いを確認する
更新の適用方法や再起動の扱いは、事業者ごとに条件が異なります。公式サイトの記載を確認してください。
- 掲載内容は各社公式サイトの公表値です
- 取引には元本を上回る損失が生じる可能性があります
- 仕様・料金は変更されることがあります
止めないための備え
契約時点で決めておくこと
- 更新プログラムの適用時刻:相場が動かない時間帯に寄せられるか
- 再起動後の自動起動:取引ツールとプログラムが自動で立ち上がるか
- 接続の切り方:画面を閉じても実行が続く切り方を、手順として書き残す
- ディスクの掃除:ログと過去データを定期的に減らす運用
- 設定の控え:環境を作り直せるよう、設定とプログラムを手元にも保管する
- 連絡先:事業者の障害情報の掲示場所と、問い合わせ手段
いちばん効くのは「設定の控え」です。環境が失われても、控えがあれば作り直せます。控えがなければ、同じ環境を再現するところからやり直しになります。
止まったことに気づく仕組み
止まること自体より、止まったまま何時間も気づかないことが損失につながります。気づく仕組みを、環境の一部として用意してください。
気づき方の選択肢
| 方法 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| 取引業者からの約定通知 | 発注が行われたこと | 発注がない状態は分からない |
| 定期的な目視確認 | 画面の状態すべて | 確認していない時間は分からない |
| ツールが出す稼働の記録 | 処理が続いているか | 自分で見に行く必要がある |
| VPS事業者の障害情報 | 事業者側の停止 | 利用者側の原因は分からない |
どれか一つでは足りません。「発注がない状態」に気づける方法を、必ず一つは持ってください。
よくある失敗
先に再起動してしまう
原因を示すログや画面が消えます。記録が先です。
VPS側だけを疑う
取引業者側のメンテナンスや、プログラムの停止条件であることも多くあります。
自動起動を設定していない
更新プログラムによる再起動のたびに、手作業での復旧が必要になります。
接続の切り方を確認していない
切り方によっては実行中のプログラムが終了します。
設定の控えを取っていない
環境が失われたとき、作り直しに時間がかかります。
よくある疑問
よくある疑問
止まっていた間の損失は補償されますか。
更新プログラムの適用を止めてもよいですか。
再起動したら建玉はどうなりますか。
障害の原因が事業者側か自分側か分からないときは。
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