記録は1年後に出せるかで設計する
記録は「付けること」より「1年後に取り出せること」が要件です。付けているのに出てこない、という状態がいちばん危ない。仕組みを先に決めてください。
何を残すのか
警察庁は、安全運転管理者の業務として「酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存」を挙げ、記録は1年間保存することとしています。
記録の具体的な項目は、都道府県警察が様式例を示していることがあります。管轄の警察署(交通課)に、記録の様式例があるかを確認してください。本サイトでは項目を断定しません。
警察庁のQ&Aは、記録に残す項目として次を例示しています。
記録に残す項目(警察庁のQ&Aの例示)
- 確認者名
- 運転者の氏名
- 自動車登録番号
- 確認の日時
- 確認の方法(対面か、対面によらない場合はその方法)
- 運転者の酒気帯びの有無
- 指示事項
都道府県警察が様式例を示していることもあります。様式例があればそれに従うのが確実です。管轄の警察署(交通課)にご確認ください。
実務上の注意は「確認の方法」の欄です。対面か、カメラか、電話か。ここが空欄のまま運用されている記録簿をよく見ますが、対面によらない確認では方法の記載が意味を持ちます。
本サイトは警察庁・警視庁の公表内容を整理したものです。選任の要否や届出の様式は、自動車の使用の本拠を管轄する都道府県警察によって運用が異なることがあります。必ず管轄の警察署(交通課)にご確認ください。
運転日誌
警察庁が挙げる業務には「運転日誌の備え付けと記録」も含まれます。酒気帯びの確認記録とは別のものです。
運転日誌は、誰がいつどの車でどこへ行ったかを残すものです。これが残っていると、事故や違反があったときに事実関係をたどれます。また、私的利用の線引きにも効きます。
1年をどう回すか
保存の仕組みを決める
- ① 保存の単位を決める事業所ごとか、全社まとめてか。取り出すときの単位で決めます。
- ② 保存の場所を決める紙なら誰の机か、データならどこか。属人化させない。
- ③ 1年経ったものの扱いを決める廃棄するのか、そのまま残すのか。
- ④ 取り出す訓練を1度やる「去年の同じ月の記録を出して」を実際にやってみます。ここで出てこなければ、仕組みが機能していません。
④が効きます。実際に出そうとして初めて、抜けや散逸に気づきます。
崩れるところ
記録が抜ける典型的な場面
早朝・夜間の出発
直行直帰
繁忙期
新しい拠点ができたとき
運転者が増えたとき
高速道路の利用も、明細でまとめて把握する
運転日誌とは別の記録ですが、実際の運行と突き合わせる材料になります。発行条件は公式サイトでご確認ください。
- 発行条件・審査基準・手数料は各社公式サイトでご確認ください
- 利用できる場所や割引の条件はカードにより異なります
担当が変わるとき
安全運転管理者が退職・異動するとき、解任と新たな選任の届出が必要です。あわせて記録の引き継ぎも起きます。
引き継ぎ資料に入れておくこと
- 選任・解任の届出は管轄の警察署へ、選任した日から15日以内
- 記録の保管場所(紙・データ)と、1年経過分の扱い
- アルコール検知器の台数、置き場所、センサーの交換時期
- 管理者不在時の確認者は誰か
- 法定講習の受講予定
この5行があるだけで、引き継ぎ後の抜けがほとんど防げます。いま作っておいてください。
よくある失敗
付けているが、取り出せない
1年後に出せることが要件です。取り出す訓練を1度やってください。
管理者の個人フォルダに入れている
退職・異動で消えます。
運転日誌と確認記録を混ぜる
別のものです。分けて管理してください。
様式を自己流で作る
管轄の警察署が様式例を示していることがあります。先に確認してください。
引き継ぎ資料に書かない
担当が変わった月から記録が飛びます。
よくある疑問
記録の様式は決まっていますか。
エクセルで管理してもよいですか。
1年を過ぎた記録は捨ててよいですか。
運転日誌はどのくらい細かく書きますか。
記録を代行してくれるサービスはありますか。
社用車の管理義務ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。