消去は排出者の責任。渡して終わりではない
「処理業者が消してくれるはず」と思って渡すと、後で説明できません。パソコン3R推進協会は、データ消去を排出者の責任としています。誰がどうやるかを先に決めてください。
責任は誰にあるか
パソコン3R推進協会は、リサイクル施設での処理について次のように説明しています。
ハードディスクのデータはお客様の責任で予め消去して頂くこととしていますが、リサイクル施設ではパソコンから取り出したハードディスクを解体し、破砕して、鉄、アルミなどの素材に分別していますので、その段階で残っていた情報があったとしてもデータとして再生はできなくなります
一般社団法人パソコン3R推進協会「PCリサイクルQ&A」Q4-5
読むと2つのことが分かります。①消去は排出者の責任。②最終的には破砕されるので、そこまで行けば再生できない。
問題は「そこに着くまで」です。梱包して、輸送されて、施設に着いて、解体されるまでの間、そのハードディスクは中身が入ったまま移動します。だから排出者が先に消します。
本サイトはパソコン3R推進協会および公的機関の公表内容を整理したものです。回収の方法・料金・手続きはメーカーによって異なります。実際の手続きは対象機器のメーカー、または委託先の処理業者にご確認ください。廃棄物処理法上の取扱いは、所在地の自治体の産業廃棄物担当課にご確認ください。
消去の方法
データ消去の主な方法
| 方法 | 何をするか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ファイルの削除・ゴミ箱を空に | 見えなくするだけ。データは残る | 消去にならない |
| 初期化・リカバリ | 工場出荷状態に戻す。復元できる場合がある | 単独では不十分 |
| 専用ソフトによる上書き消去 | 記録領域を無意味なデータで上書きする | 再利用・売却する場合 |
| 暗号化消去 | 暗号化しておき、鍵を破棄する | 対応している機器・OSの場合 |
| 物理破壊 | ドライブを破砕・穿孔する | 再利用しない場合。最も確実 |
SSDとHDDでは有効な方法が異なることがあります。機器の種類にあわせて選んでください。
「初期化したから大丈夫」が最も多い誤解です。初期化は消去ではありません。
どれを選ぶか
状況別の選び方
そのまま廃棄する(再利用しない)
中古として売却する・下取りに出す
社内で再配置する
リースの返却
故障して起動しない
リースの返却が落とし穴です。「消したいから壊す」は、借りている機器ではできません。
自分で消去する場合
業者に頼まず社内でやる場合、「何を使うか」より「記録が残るか」で選んでください。
自分でやるときの選択肢
OSの初期化機能を使う
OSの暗号化機能を使い、鍵を破棄する
消去用のソフトを使う
ドライブを取り外して物理破壊する
社内でやるときの落とし穴は「やったことを証明できない」ことです。誰が・いつ・どの機器に・どの方法で行ったかを、作業のたびに記録してください。あとからまとめて書くと抜けます。
なお、消去せずに処分するのは避けてください。協会は消去を排出者の責任としています。輸送中や処理前の段階で、情報が残ったまま機器が移動することになります。
記録として残すもの
やったことを説明できる形にしておきます。監査や取引先のセキュリティ確認で求められます。
残しておくもの
- 対象機器(管理番号・型番・シリアル番号)
- 消去の方法(ソフト名やバージョン、物理破壊なら方法)
- 実施日と実施者
- 業者に委託した場合、その業者が発行する証明書
- 廃棄まで行った場合、資産滅却報告書(廃棄証明書)
- 台帳のどの行に対応するか
最後の行が重要です。証明書だけあっても、どの機器のものか分からなければ使えません。台帳と紐づけてください。廃棄の記録のページで扱います。
入れ替え先の中古パソコンを、保証つきで探す
在庫・保証条件は公式サイトでご確認ください。
- 価格・在庫・保証条件は各社公式サイトでご確認ください
- 仕様・構成は変更されることがあります
パソコン以外に残るもの
本体だけ気にして、周辺に残ったデータを忘れることがあります。
見落としやすいもの
- 外付けハードディスク・USBメモリ
- 複合機・プリンタの内蔵ストレージ(スキャンした書類が残ることがあります)
- スマートフォン・タブレット
- ネットワーク機器の設定情報(無線のパスワードなど)
- バックアップ用のメディア(DVD・テープ)
- クラウド上のアカウント(機器を捨ててもデータは残ります)
複合機は特に見落とされます。リースの入れ替え時に、内蔵ストレージの扱いをリース会社に確認してください。
よくある失敗
初期化=消去だと思う
初期化は工場出荷状態に戻すだけで、復元できる場合があります。
業者に任せて記録を残さない
排出者の責任です。何をしたかを説明できる形にしてください。
リース機を物理破壊する
契約違反になることがあります。契約書を先に読んでください。
複合機・USBメモリを忘れる
本体以外にもデータは残ります。
証明書を台帳と紐づけない
どの機器の証明か分からなくなります。
よくある疑問
処理業者が消してくれるのではないですか。
何回上書きすれば安全ですか。
SSDでも同じ方法でよいですか。
消去ソフトは無料のものでよいですか。
壊れて起動しないパソコンはどうしますか。
会社のパソコン廃棄と入れ替えガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。